大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)384 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人勅使河原直三郎の上告趣意(後記)について。

所論の詳細に述べるところは、第一審判決が認定し原判決が是認した被告人の窃

盗の事実につき、証拠に関する独自の見解と有利な情状を展開してこれを争い、ひ

いて食糧管理法違反の罪と共にいずれも無罪であると主張するのであつて、結局原

審の証拠の取捨判断又は事実認定を非難するに帰し、刑訴四〇五条の適法な上告理

由にあたらない。(論旨の特に強調する本件鍵によつては被害金庫の開閉不可能で

あるという主張については、原判決の説示するように検証調書と証人Aの尋問調書

の記載によれば第一審検証の際本件鍵によつて容易に倉庫の開閉ができたことを充

分に認めることができる)。

弁護人角田隆治の上告趣意(後記)について。

所論第一の本件鍵に関する主張は、勅使河原弁護人の上告趣意について判断した

とおりであり、同第二は単なる事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由

にあたらない。また弁護人は第一第二の各末尾に、弁護人が第一審において提出し

た弁論上申の要旨記載並に原審の控訴趣意書記載を引用すると記載しているが、こ

のように以前の審級に提出した書面を単に上告趣意に引用するというだけでは適法

な上告趣意として採用することはできない。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二八年六月一六日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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